電力小売全面自由化
でんりょくこうりぜんめんじゆうか
2016年4月1日に実施された制度改正で、これまで地域の旧一般電気事業者(東京電力等10社)に限られていた家庭向け電力小売を、新規参入の小売電気事業者(新電力)も提供できるようにしたもの。
経済産業省が小売電気事業者を登録制で管理し、消費者は事業者・プランを自由に選択できる。2026年時点で経産省登録小売電気事業者は約800社。エネジェントはそのうち主要49社・351プランを構造化している。
GLOSSARY
燃料費調整額・JEPX・市場連動型・容量拠出金など、電気代まわりの専門用語28語を一次情報リンク付きで解説します。
でんりょくこうりぜんめんじゆうか
2016年4月1日に実施された制度改正で、これまで地域の旧一般電気事業者(東京電力等10社)に限られていた家庭向け電力小売を、新規参入の小売電気事業者(新電力)も提供できるようにしたもの。
経済産業省が小売電気事業者を登録制で管理し、消費者は事業者・プランを自由に選択できる。2026年時点で経産省登録小売電気事業者は約800社。エネジェントはそのうち主要49社・351プランを構造化している。
フィット
Feed-In Tariff。再生可能エネルギー(太陽光・風力・水力等)で発電した電気を、国が定めた価格で電力会社が一定期間買い取る制度。2012年7月開始。
10年間の固定価格買取期間が満了する『卒FIT』世帯が増加中。買取終了後は事業者が自由に買取価格を設定する『FITあと買取(余剰買取)』に移行。
関連: 再生可能エネルギー発電促進賦課金
フィップ
Feed-In Premium。FITの後継制度として2022年4月導入。発電事業者がJEPX市場で売電し、市場価格に上乗せでプレミアムを受け取る仕組み。
1MW以上の大規模再エネでFITからFIPへの移行が進む。卒FIT世帯のような小規模はFIT継続またはFITあと買取が主流。
しんでんりょく
2016年4月の電力小売全面自由化以降に小売電気事業に新規参入した事業者の総称。Power Producer and Supplier の頭字でPPSとも呼ばれる。
旧一般電気事業者(東京電力エナジーパートナー等10社)以外の登録小売電気事業者を指す。発電所を自社保有する社・JEPXから調達する社・他社から卸供給を受ける社など事業形態は多様。
きせいりょうきん
旧一般電気事業者の家庭向けプランのうち、自由化前から続く料金体系を経過措置として残しているもの。代表例は東京電力EPの「従量電灯B」、関西電力の「従量電灯A」。
規制料金は燃料費調整額に上限が設定されており、市況急騰時でも一定額で止まる仕組み。一方、自由料金プランには上限がない場合が多く、長期で見ると逆転することもある。
じゆうりょうきん
電力会社が自由に料金を設計できるプラン。新電力のプランは原則すべて自由料金。旧一般電気事業者も「スタンダードS」など自由料金プランを別途提供する。
規制料金と単価が同水準でも、燃料費調整額の上限の有無やセット割の対象になるかどうかで実質料金が変わる。
ねんりょうひちょうせいがく
原油・LNG・石炭の輸入価格変動を電気料金に反映する仕組み。kWh単位の単価が毎月更新され、3か月平均の貿易統計価格と基準燃料価格の差から算出される。
規制料金は燃調に上限あり(経過措置)。自由料金は上限なし(2022年以降の市況高騰で問題化)。市場連動型プランは燃調がJEPX市場価格に連動する独自方式を取ることが多い。
出典: 東京電力EP 燃料費調整制度
ねんちょうじょうげん
燃料費調整額に設定された上限額のこと。規制料金(従量電灯B等)には上限が設けられているが、自由料金プランには上限がないことが多い。
2022年〜2024年の燃料価格高騰局面で、上限なしの自由料金プラン契約者は規制料金を上回る燃調を負担した。市場連動型プランも上限なしが標準。
ジェイ・イー・ピー・エックス
Japan Electric Power Exchange。日本国内の卸電力取引市場を運営する一般社団法人。スポット市場(前日約定)・時間前市場・先物市場などを提供。
30分単位の取引コマがあり、日次でエリアプライス(エリアごとの約定価格)が公表される。新電力の調達コストの主要指標で、市場連動型プランの料金算定にも使われる。
出典: JEPX 公式
関連: 市場連動型プラン・燃料費調整額 (燃調)・容量市場
エリアプライス
JEPXスポット市場の約定価格を9エリア(北海道・東北・東京・中部・北陸・関西・中国・四国・九州)別に算定したもの。30分毎にコマが約定する。
市場連動型プランの燃調や電源調達料金は、契約エリアのエリアプライスに連動して算定されるのが標準。エリア間の連系線運用制約により、エリア間で価格差が出る。
ようりょうしじょう
電力供給力の確保を目的に、4年先の供給力(容量kW)を国(電力広域的運営推進機関)が公募・落札する制度。2024年度から運用開始。
落札費用は容量拠出金として小売電気事業者から電力広域機関に支払われ、最終的には小売プランの料金や制度対応費として消費者に転嫁される。
出典: 電力広域的運営推進機関 容量市場
関連: 容量拠出金
ようりょうきょしゅつきん
容量市場の落札費用として小売電気事業者が負担する金額。kW単位またはkWh単位で小売プランに反映される。
Japan電力・つばさでんき等の市場連動型プランは「制度対応費」「安定供給維持費」等の名称で容量拠出金相当額を別建てで請求する。2024年度は kW単価 約105円台、 2025年度から段階改定。
関連: 容量市場
たくそうりょうきん
発電された電気を需要家まで届けるために必要な送配電網の利用料。送配電事業者(東京電力PG等)が託送供給等約款で公表する。
新電力は契約者の電気代から託送料金を送配電事業者に支払い、残りが新電力の収益となる。 2024年度から「発電側課金」と「需要側課金」の二段階制に改定。
出典: 資源エネルギー庁 託送料金制度
アンペアべつけいやく
契約電流(10A・15A・20A・30A・40A・50A・60A)ごとに基本料金が設定される契約形態。北海道・東北・東京・中部・北陸・九州エリアで主流。
アンペア数を上げると基本料金も比例的に上がる。同時使用するW数を計算して契約A数を決める。30Aは3,000W相当(エアコン+電子レンジ+ドライヤー同時で超えやすい)。
さいていりょうきんせい
関西・中国・四国エリアの従量電灯Aで採用される料金形態。月の使用量が少なくても最低料金(関西なら1契約 522.58円/月・最初の15kWhまで)が課金される。
アンペア別基本料金がない代わりに最低料金が課されるイメージ。15kWh(関西/中国)・11kWh(四国)を超えた分は段階別単価で従量計算。
ケーブイエーけいやく
契約容量(kVA)単位で基本料金が決まる契約形態。商店・事業所等の大口契約で採用される。1kVA = 1000VA。
東京電力EP「従量電灯C」、関西電力「従量電灯B」(6kVA以上)、Japan電力「Jプラン」(関西/中国/四国の6kVA超)等で使用。
さんだんかいじゅうりょうせい
月の電気使用量を3段階に区切り、段階ごとに単価を設定する料金体系。第1段階(〜120kWh)は安く、第2段階(120〜300kWh)・第3段階(300kWh超)で段階的に高くなる。
東京電力EP従量電灯Bが代表例(29.80円→36.40円→40.49円/kWh)。電気を使い過ぎないインセンティブ設計の意図。新電力には段階なしフラット型のプランも多い。
関連: 段階なしフラット型
だんかいなしフラットがた
使用量に関わらず単一単価で従量料金を計算する料金体系。新電力に多い設計。
Looopスマートタイムワン・楽天でんき・ストエネ等で採用。使用量が多い世帯ほど第3段階の高単価から逃げられる利点がある一方、少量使用世帯では割高になることもある。
関連: 3段階従量制
セットわり
電気とガス・通信回線・モバイル等を同じ事業者で契約することで適用される割引。月額〜割引率% の形が一般的。
東京ガスの『電気・ガスセット割』は0.5%(税込)、auでんき『でんきMプラン』は通信料割引、ドコモでんき『Greenプラン』はdポイント還元など、形は事業者ごとに異なる。
ポイントかんげん
電気代の一部をポイントとして還元する仕組み。dポイント・楽天ポイント・Pontaポイント・cdエナジー カテエネ等、提携先により還元先が異なる。
還元率は0.5〜10%と幅広い。ポイント還元込みの『実質電気代』で比較しないと正確な順位がわからないため、エネジェントの計算エンジンはポイント還元を別フラグで取り込んでいる。
かいやくきん
プラン解約時に発生する手数料。最低契約期間(1〜2年)を設定するプランで、期間内に解約すると数千円が請求される。
電力プランの大半は解約金なしだが、Looopでんき(3,300円)・つばさでんき(0円)・電力会社×ガス系の特別プランの一部に解約金がある。賃貸入居者は短期解約リスクを考慮して『解約金なし』のプランを選ぶのが安全。
関連: 最低契約期間
さいていけいやくきかん
プランで定められた最短契約期間。期間内に解約すると解約金が発生する。
通常1〜2年。期間経過後は自動更新される設計が多い。引っ越しや家計変動で短期解約の可能性がある世帯は、最低契約期間なし・解約金なしのプランを選ぶことが推奨される。
関連: 解約金 (違約金)
31えん きろわっとあわー の めやすたんか
全国家庭電気製品公正取引協議会(家電公取協)が家電カタログの電気代計算用に定める目安単価。2022年7月22日に27円→31円に改定され、2026年5月時点で据え置き。
経済産業省や公正取引委員会が定めた値ではなく、業界自主機関の目安。記事内で電気代計算の基準として使う場合は『家電公取協の目安単価』と明記する。
出典: 全国家庭電気製品公正取引協議会
ねんど
Fiscal Year。電力業界では4月〜翌3月を1年度として扱う。FY2026は2026年4月〜2027年3月。
再エネ賦課金の改定(毎年5月)、容量拠出金の年次改定(毎年1月)など、年度区切りで料金が動く要素が多い。エネジェントの計算エンジンも fy_key を内部キーで持っている。
しじょうれんどうがたプラン
JEPXスポット価格に従量料金や燃調が連動するプラン。Looopでんき スマートタイムONE、エルピオ スマートダイレクト、おてがるでんき スマートタイム等が代表例。
市況が低い時は割安だが、2021年1月や2022〜2024年のような高騰局面では月額が大きく跳ね上がる。エネジェントは市場連動型プランを別フラグで管理し、リスクを記事内で必ず明示している。
関連: JEPX (日本卸電力取引所)・燃調上限
オールでんかプラン
ガス併用ではなく電気のみで給湯・調理・暖房を賄う住宅向けの料金プラン。深夜電力時間帯の単価を割安にし、エコキュート等を夜間に動かす運用を想定。
東京電力EP「スマートライフプラン」、関西電力「はぴeタイムR」、Japan電力「オール電化プラン」等が該当。日中の単価が割高なため、共働きで日中不在の世帯と相性が良い。
じかんたいべつプラン
Time-Of-Use。1日を2〜3つの時間帯に分け、時間帯ごとに単価を変える料金プラン。深夜が安く昼間が高い設計が一般的。
夜間にEV充電・蓄電池・エコキュートを動かす世帯と相性が良い。生活パターンが昼間中心の世帯では割高になりやすいため使い方の検証が必要。
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