※本記事は2026年4月時点の情報です。
九州電力エリアは、LPガスのシェアが高く、太陽光発電の条件が良く、そして電気の単価が構造的に割安という3つの特徴を持つエリアです。これらの条件はいずれもオール電化と相性が良く、九州は全国でもオール電化住宅の普及率が高い地域の一つになっています。
この記事では、九州電力のオール電化プランの仕組みと、太陽光・LPガスとの兼ね合いを踏まえた判断軸を整理します。
電化でナイト・セレクトの時間帯区分
『電化でナイト・セレクト』は、九州電力が2026年4月時点で提供するオール電化向け時間帯別プランで、夜間開始時刻が異なる『21』(夜間21〜翌7時・朝型)・『22』(22〜翌8時・中間型)・『23』(23〜翌9時・夜型)の3タイプから選択できます。いずれも夜間・平日昼間・休日昼間・夏のピークタイム(7〜9月の13〜16時)という4区分の単価設計で、他エリアのオール電化プランよりやや複雑です。旧プラン(季時別電灯・時間帯別電灯・ピークシフト電灯等)はいずれも新規受付終了済・既加入者継続のみ可能です。以下は「22」タイプを例に解説します。
- 夜間(22〜8時):最安時間帯。エコキュート・蓄熱機器の運転帯
- 休日昼間:中間〜安めの単価。休日在宅でも負担が小さい
- 平日昼間:中〜高め。平日在宅が多いと割高に効く
- 夏のピークタイム(夏季13〜16時):最高単価。この時間帯に使用を抑えるのが重要
夏のピークタイム単価が高めに設定されているのは、冷房ピークの需給逼迫を需要家側の行動で吸収する狙いがあるためです。この時間帯に冷房や家電使用を減らせる家庭ほど、プランのメリットを最大化できます。
九州でオール電化が合理的な3つの理由
LPガス代の削減効果が大きい
九州はLPガスのシェアが高く、月8,000〜15,000円のガス代を払う家庭が多い。オール電化で完全にゼロにできるため、電気代の増加分を差し引いても総光熱費が下がりやすい。
LPガス代の削減効果が大きい
九州は日射条件が良く、太陽光発電の自家消費と組み合わせると昼間の電気をほぼ自給できる。卒FIT後も蓄電池を組み合わせることで夜間使用分も補えます。
LPガス代の削減効果が大きい
九州電力の単価自体が他エリア比で割安なため、電気使用量が増えてもインパクトが比較的小さく抑えられる。オール電化で『電気使用量は増えたが請求額は大きく変わらない』という家庭は九州でよく見られます。
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サッと料金を比較する新電力のオール電化プランとの比較軸
九州エリアで本格的にオール電化向けプランを提供する新電力は限定的です。シン・エナジーの『生活フィットプラン』(時間帯別固定型・独自燃調)、Looopでんきの『スマートタイムone』(30分単位の市場連動型・電源料金上限128円/kWh税込)等が候補になりますが、それぞれ料金構造が大きく異なるため、以下の観点で慎重に比較する必要があります。
- 夜間単価の比較:九州電力『電化でナイト・セレクト』の夜間単価は他エリア比で安め。新電力が下回るハードルは高い
- ピークタイムの有無:新電力は季節別ピークタイムを設けていないことが多い。夏の昼間在宅が多い家庭は新電力の方が有利な場合も
- 燃料費調整方式:九州電力プランは規制料金相当の方式、新電力は独自方式(上限なし)が多い
- 市場連動か固定か:30分単位の市場連動型(Looopスマートタイムone等)は九州の出力制御時に安くなる反面、市況高騰時には電源料金上限(128円/kWh税込)に張り付くリスクも。シン・エナジーは時間帯別の固定単価+独自燃調で予測しやすい設計
切替・契約時の3つの注意点
夏のピークタイム管理
電化でナイト・セレクトは夏季13〜16時の単価が最高。この時間帯に冷房を弱めに運転する、洗濯・乾燥機は別の時間帯にずらすなどの工夫で単価の影響を緩和できます。
エコキュートの深夜固定
エコキュートは『深夜のみ沸き上げ』設定を厳守。日中の沸き増しが頻発すると高単価帯で湯を沸かすことになり、オール電化メリットが大きく目減りします。
太陽光・蓄電池との組み合わせ設計
卒FIT後は売電単価が下がるため、自家消費比率を上げる設計が重要。蓄電池導入で夜間・ピークタイムの自家消費を伸ばせるが、初期投資の回収年数をシミュレーションしたうえで判断を。
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まとめ
九州電力のオール電化は『電化でナイト・セレクト』を軸に、LPガス代削減・太陽光自家消費・深夜単価活用の3つを組み合わせると総光熱費を大きく下げやすい地域です。新電力への切替余地は限定的で、まずは現行プラン内でピークタイム管理とエコキュート運用の最適化から始めるのが実務的です。太陽光・蓄電池の導入を検討している方は、卒FIT後の自家消費設計と合わせてシミュレーションすると判断しやすくなります。
よくある質問
Q. 九州電力の『電化でナイト・セレクト』はどんなプランですか?
A. 九州電力のオール電化向け時間帯別プランで、夜間開始時刻が異なる<strong>『電化でナイト・セレクト21』(夜間21〜翌7時)・『22』(22〜翌8時)・『23』(23〜翌9時)の3タイプ</strong>から選択できます。いずれも夜間が最安で、夏季(7〜9月)13〜16時のピークタイムが最高単価という季節別の要素も組み込まれています。生活リズムに合わせてどのタイプを選ぶかで電気代が変わります。なお旧オール電化プラン(季時別電灯・時間帯別電灯・ピークシフト電灯・深夜電力A/B・第2深夜電力)はいずれも新規受付終了済で、既加入者の継続利用のみ可能です。エコキュートの深夜沸かしと、夏のピークタイムに家電使用を減らす工夫がセットで求められるプランです。
Q. 九州はオール電化と太陽光の組み合わせに向いていますか?
A. 九州は全国有数の日射条件で、太陽光発電の自家消費と相性が良い地域です。オール電化+太陽光+蓄電池の組み合わせで、昼間は太陽光でカバー・余剰は蓄電・夜間は深夜単価、という使い分けが成立します。FIT期間終了後の卒FITでも、自家消費比率を上げる選択肢として太陽光が有効です。
Q. オール電化にすればLPガス代が節約できますか?
A. LPガス普及率が高い九州では、LPガス代を月8,000〜15,000円支払っている家庭も多く、オール電化にすることでガス代がゼロになる経済効果は他エリアより大きめです。ただしエコキュートの設置費用・機器寿命・電気代の増加分を考慮した総合判断が必要です。LPガス代の大きい家庭ほど、オール電化の費用対効果が出やすい傾向があります。
Q. 新電力のオール電化プランに切り替える価値はありますか?
A. 2026年4月時点、九州エリアでオール電化向けプランを提供する新電力は限定的で、九州電力のプランを大きく下回る設計のものは多くありません。シン・エナジーの『生活フィットプラン』等が候補ですが、九州電力の深夜単価がもともと割安なため逆転は簡単ではありません。深夜使用比率の高い家庭のみ、シミュレーションで確認する価値があります。
出典・参考
- 九州電力「電化でナイト・セレクト」料金表(2026年4月時点)
- 各新電力のオール電化向けプラン約款(2026年4月時点)
- 資源エネルギー庁 FIT・FIP制度関連資料