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サッと料金を比較する※本記事は2026年6月時点の公開情報・公式約款にもとづきます。基準燃料価格・基準単価は2025年5月14日施行の電気料金メニュー定義書の値です。料金約款は改定されることがあるため、契約判断の前に必ず最新の公式情報をご確認ください。
「グリーンオクトパスの燃料費調整は、大手電力(旧一電)と同じ計算式だから、料金の動きも大手と同じ」――そう理解している方は少なくありません。たしかに計算式の形は旧一電とそっくりです。しかし、計算式に入れる「基準」の数値は、TGオクトパスエナジーがエリア別に独自設定しています。
この記事では、グリーンオクトパスの燃料費調整が「旧一電型なのに独自基準」とはどういうことか、何がどう違うのかを、公式約款の事実ベースで中立に整理します。良い・悪いの評価ではなく、仕組みの解説です。
まず結論:3つのポイント早見表
※グリーンオクトパス・オール電化オクトパス・動力オクトパスが独自基準の対象。シンプルオクトパスは燃料費調整なしのフラット単価型のため、本記事の独自基準の話は当てはまりません(重要事項説明書に明記)。
そもそも「旧一電型」の燃料費調整とは
燃料費調整は、発電に使う原油・LNG(液化天然ガス)・石炭の価格変動を、毎月の電気料金に反映させる仕組みです。大手電力(旧一般電気事業者=旧一電)が長年使ってきた標準的な計算式は、おおむね次のように整理できます。
燃料費調整の基本式(旧一電と同形式)
平均燃料価格 < 基準燃料価格のとき:
燃調単価 =(基準燃料価格 − 平均燃料価格)×(基準単価 ÷ 1000)→ 料金はマイナス調整
平均燃料価格 > 基準燃料価格のとき:
燃調単価 =(平均燃料価格 − 基準燃料価格)×(基準単価 ÷ 1000)→ 料金はプラス調整
この式には、性格の違う3つの値が登場します。「平均燃料価格」は原油・LNG・石炭の貿易統計価格の3か月平均で、毎月変わる実勢値です。これに対して「基準燃料価格」と「基準単価」は、各社が約款で定める固定の基準値です。
ここで大事なのは、この2つの基準値が燃調単価に対して別々の役割を持っている点です。基準燃料価格は、燃調がプラスになるかマイナスになるかの分かれ目(水準)を決めます。一方、基準単価は、燃料価格が動いたときに燃調単価がどれだけ大きく動くかという変化の強さ(感度・傾き)を決めます。
つまり「旧一電型」とは、この式の形を使っている、という意味にすぎません。式に入れる基準値が同じとは限らないのです。
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サッと料金を比較するグリーンオクトパスの「独自基準」とは何か
TGオクトパスエナジーのグリーンオクトパスは、上の計算式と同じ形を使っています。ここまでは大手電力と同じです。違うのは、式に入れる「基準燃料価格」と「基準単価」を、エリアごとに自社で独自に設定している点です(公式の電気料金メニュー定義書・重要事項説明書に記載)。
公式約款で公表されているエリア別の基準値は、次のとおりです。
グリーンオクトパス エリア別の基準値(2025年5月14日施行)
※平均燃料価格は原油・LNG・石炭の貿易統計価格をもとに算定し、過去3か月平均を翌々月の電気料金に適用します。九州エリアの基準単価には離島ユニバーサルサービス調整単価が含まれます。値は2025年5月14日施行の電気料金メニュー定義書による。
燃料変動の「反映されやすさ」を決めるのは基準単価
「基準が独自だと何が変わるのか」を考えるとき、押さえておきたいのが、基準単価と基準燃料価格は役割が違うという点です。
燃調単価は「平均燃料価格と基準燃料価格の差」に「基準単価」を掛けて算定します。このうち、燃料価格が動いたときに燃調単価がどれだけ大きく振れるかという感度(傾き)を決めているのは基準単価です。基準単価が大手より高めに設定されているエリアでは、同じだけ燃料価格が動いても、燃調単価の振れ幅が大きくなりやすくなります。逆に、基準単価が低めのエリアでは、燃料が動いても燃調単価の振れ幅は小さめになります。
これに対して基準燃料価格は、燃調が0円になる水準(プラス調整とマイナス調整の分かれ目)を上下にずらす役割です。基準燃料価格が低めだと平常時からプラス調整側に出やすく、マイナス還元が小さくなりやすい――という水準(オフセット)の論点で、感度(反映されやすさ)とは別の話です。両者を混同しないことが大切です。
この「感度」を、大手電力(旧一電)の基準単価と並べて比べると違いがはっきりします。
基準単価の比較(グリーンオクトパス vs 旧一電・公式約款値)
※旧一電の基準単価は各エリアの旧一般電気事業者の約款値(東京は東京電力EP、その他は各エリアの大手電力)。基準単価が大きいほど、燃料価格が同じだけ動いたときの燃調単価の振れ幅(感度)が大きくなります。値は各社公式約款による。九州はグリーンオクトパスの基準単価に離島ユニバーサルサービス調整単価を含みます。
このように、基準単価がグリーンオクトパスのほうが高めのエリア(北海道・東北・東京・中国・四国)では、燃料価格の変動が燃調単価により強く反映されやすい設計といえます。一方、北陸はグリーンオクトパスのほうが低く、関西・九州・中部はほぼ同等で、これらのエリアは大手と近い動き、または北陸のように燃料変動の反映が緩めになります。「独自基準だから一律に反映されやすい」わけではなく、エリアによって向きが分かれるのがポイントです。
「旧一電型だから大手と同じ動き」は正確ではない
計算式の形は同じでも、基準単価が異なれば、同じ燃料価格の変動でも燃調単価の振れ幅は変わります。「旧一電準拠=大手と同一の料金挙動」と単純に考えると、実際の動きとずれる可能性があります。良い・悪いではなく、仕組みとして押さえておきたいポイントです。
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もう2つの特徴:JEPX非連動・上限なし
JEPX(市場価格)には連動しない
グリーンオクトパスの燃料費調整は、原油・LNG・石炭の貿易統計価格にもとづく方式です。日本卸電力取引所(JEPX)のスポット市場価格には連動しないと重要事項説明書に整理されています。市場連動型プランのように、30分ごとや月平均の市場価格が直接単価に反映されるタイプとは別の仕組みです。
燃料費調整に上限はない(自由料金)
グリーンオクトパスは自由料金プランで、燃料費調整に上限を設けていないと重要事項説明書に明記されています。大手電力の規制料金には基準燃料価格の一定倍を超える分を反映しない経過措置の上限がありますが、上限のない自由料金プランは燃料が大きく高騰した局面でその影響を受けます。
「独自基準」と「市場連動」は別物
グリーンオクトパスの独自基準は、あくまで旧一電型(3燃料ベース)の計算式の中で基準値を独自に設定したものです。JEPXの市場価格に直接連動する「市場連動型プラン」とは別のカテゴリーです。両者を混同しないよう注意してください。
同じオクトパス系でもシンプルオクトパスは別物
注意したいのが、同じオクトパス系でもプランによって燃料費調整の仕組みが異なる点です。本記事で扱う独自基準が適用されるのは、グリーンオクトパス・オール電化オクトパス・動力オクトパスです。
一方、シンプルオクトパスは燃料費調整がないフラット単価型のプランです(重要事項説明書に明記)。電力量料金にあらかじめ燃料費が含まれ、燃料費調整による毎月の単価変動がありません。燃料高騰のリスクを負わない代わりに、燃料が安い局面では割高になる場合があります。「オクトパスの燃調」と一括りにすると、このプラン差を見落としやすいので注意が必要です。
各社の燃料費調整の方式をまとめて比較する
燃料費調整の方式は会社・プランによって、市場連動型・旧一電と同方式・独自基準・規制料金(上限あり)・燃調なし、と分かれます。下記の早見表で各社の代表プランを横並びで確認できます。
電力会社の燃料費調整の方式 早見表 →
市場連動(30分/月平均)・旧一電と同方式・独自基準・規制料金(上限あり)・燃調なしを、各社の代表プランで横並び比較。公式約款ベースで整理しています。
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まとめ
グリーンオクトパスの燃料費調整は、旧一電(大手)と同じ形の計算式を使いながら、基準燃料価格・基準単価をエリア別に独自設定しているのが特徴です。燃料変動が燃調単価にどれだけ強く反映されるか(感度)を決めるのは基準単価で、北海道・東北・東京・中国・四国のように大手より高めに設定されたエリアでは、燃料価格の変動が反映されやすい設計といえます。北陸のように低めのエリア、関西・九州・中部のように同等のエリアでは、その限りではありません。
さらに、JEPXの市場価格には連動せず、燃料費調整に上限がない自由料金プランです。「旧一電型だから大手とまったく同じ動き」「市場連動型と同じリスク」――どちらの単純化も正確ではありません。良い・悪いではなく、仕組みを正しく理解したうえで、自分の使い方に合うかを判断するのが大切です。
自分の使用量・エリアで各社のプランがどうなるかを知りたい方は、エネジェントのシミュレーターで公式約款ベースの試算を比較してみてください。電力会社から広告料を受け取らずに中立比較しています。
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出典・参考