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住まいと電気契約

分譲マンション一括契約で
電力会社は選べるか

一括受電の仕組みと切替検討の基礎知識

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※本記事は2026年4月時点の情報です。

「分譲マンションに住んでいるけれど、電気の請求書が管理会社から届く」「自由化といわれても、うちは電力会社を選べるのか分からない」――そんな疑問を持つ方は少なくありません。

原因の多くは「高圧一括受電」と呼ばれるマンション単位の契約方式です。本記事では、一括受電の仕組み・個別に選べないケースの見分け方・管理組合として切替を検討する際の流れを、中立的な視点で整理します。

先にお伝えしたい結論:マンションの電気契約は「共用部(エントランス・廊下・エレベーター等)」と「専有部(各住戸内)」で契約主体が異なります。共用部は管理組合が契約主体、専有部は各住戸の居住者が契約主体となるのが基本です。ただし「高圧一括受電」を導入している物件では、専有部も含めてマンション全体で一契約となるため、各戸が個別に電力会社を切り替えることはできません。自分のマンションがどちらに該当するかを、まず請求書で確認しましょう。

マンションの「一括受電」とは何か

電気の契約方式は、大きく分けて「各戸個別契約」と「高圧一括受電」の2種類があります。

通常の分譲マンションでは、各住戸が低圧で一般送配電事業者と接続し、電力会社と個別に契約します。一方、高圧一括受電は、マンション全体で一つの高圧受電設備(キュービクル)を持ち、マンション単位で高圧契約を結んで、各戸には管理組合や受電サービス会社経由で電気を分配する方式です。

項目個別契約高圧一括受電
契約者各住戸の居住者管理組合またはサービス会社
受電電圧低圧(100/200V)高圧(6,600V)で受電し各戸へ分配
電力会社の選択自由に選べる原則として各戸では選べない
請求元契約した電力会社管理組合または受電サービス会社
切替の意思決定居住者個人管理組合の総会決議が必要

高圧一括受電は、高圧側の単価が安いことを活用して共用部・専有部あわせた電気料金を抑えられる点が特徴です。一方で、各戸が自由に電力会社を選べなくなる点がデメリットとして挙げられます。

「共用部」と「専有部」で契約主体が違う

マンションの電気契約を考えるうえで最初に押さえたいのが、共用部と専有部の切り分けです。個別契約マンションであっても、共用部の電気契約は管理組合が担う点に注意が必要です。

区分対象範囲契約主体/見直しの主役
共用部エントランス照明・廊下・エレベーター・給水ポンプ・機械式駐車場など管理組合(理事会・総会決議)
専有部(個別契約の場合)各住戸の室内電気各住戸の居住者(自由に切替可能)
専有部(一括受電の場合)各住戸の室内電気管理組合(各戸での切替不可)

つまり、個別契約マンションの居住者が「自分でできること」は専有部の電力会社切替に限られます。共用部の料金は、管理組合が大手電力と契約している場合が多く、見直しは理事会や総会を通じて行う必要があります。大規模修繕や長期修繕計画の見直しタイミングは、共用部電力の契約条件を棚卸しする良い機会になります。

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個別に電力会社を選べないケースの見分け方

「自分のマンションで電力会社を選べるかどうか」は、次の3点を確認すると判断しやすくなります。

1

毎月の請求元を確認する

電気料金の請求書または引き落とし明細に、管理会社・管理組合・受電サービス会社などの名称が記載されていれば、高圧一括受電の可能性が高いと考えられます。一般送配電事業者のエリア大手や新電力から直接請求が来ていれば、個別契約です。

2

重要事項説明書・管理規約を確認する

分譲時の重要事項説明書や管理規約に「高圧一括受電」「一括受電サービス」といった記載があれば、一括受電導入物件です。中古で購入した場合も、引き渡し時の書類に契約方式が記載されています。

3

検針票に『供給地点特定番号』があるか確認する

低圧の個別契約であれば、検針票やマイページに22桁の供給地点特定番号が記載されています。この番号が確認できない、あるいは管理組合経由の使用量通知しか届かない場合は、個別の電力会社切替はできない状態です。

補足:オール電化マンションや築浅の大規模物件では一括受電の採用が比較的多く、小中規模の物件では個別契約が一般的です。ただし築年数や戸数だけで一概に判断はできないため、必ず書類で確認することをおすすめします。

管理組合として切替を検討する場合の流れ

「一括受電のままが得なのか、個別契約に戻して各戸で自由化プランを選べる状態にした方が得なのか」――これは、マンション全体の使用量や既存契約の条件によって結論が変わります。管理組合として検討する場合、以下のステップを踏むのが一般的です。

STEP 1

現状の契約条件を棚卸しする

既存の一括受電契約の契約期間・違約金条項・割引率・共用部の扱いを確認します。契約書が見当たらない場合は、受電サービス会社に写しを請求しましょう。

STEP 2

個別契約に戻した場合の試算を作る

共用部と専有部を個別低圧契約にした場合の想定料金を、大手電力の標準プランや新電力各社のプランで試算します。各戸の使用量分布が必要になるため、過去12ヶ月分の使用量データを集めます。

STEP 3

切替費用と工事の必要性を確認する

一括受電の解約違約金、高圧受電設備の撤去または買取、各戸へのスマートメーター設置などの費用が発生する可能性があります。これらをすべて含めた投資回収年数を計算します。

STEP 4

総会決議にかける

区分所有法に基づき、共用部の重要事項として総会決議が必要です。賛否が割れやすいテーマのため、事前の説明会やアンケートで合意形成を進めるのが現実的です。

注意:個別契約に戻す判断は、数年〜十数年単位で影響が残ります。短期の料金差だけでなく、受電設備の更新時期・災害時の復旧ルート・共用部の料金構成まで含めて検討することが大切です。専門の中立アドバイザーやマンション管理士への相談も選択肢の一つです。

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今すぐできること(契約方式別)

「自分のマンションが個別契約か一括受電か」によって、取れるアクションが変わります。請求書を手元に用意したうえで、該当するパターンを確認しましょう。

1

個別契約のマンションの場合

専有部は各戸で自由に切り替えられます。自由化により、大手電力の標準プランと比べて年間数千円〜1万円以上の差が出るケースもあります。エネジェントのシミュレーターでエリア別の候補プランを診断してみてください。

2

一括受電マンションの場合

残念ながら各戸単独での電力会社切替はできません。まずは管理組合の理事や管理会社に、現在の一括受電契約の契約期間・割引率・解約条件を問い合わせることから始めます。大規模修繕の検討時期に合わせて、理事会議題として提起するのが現実的です。

よくある質問

Q. 分譲マンションでも電力会社は自由に選べますか?

A. 通常の個別契約のマンションであれば、各戸ごとに自由に選べます。ただし「高圧一括受電」を導入している物件では、マンション全体で一契約となるため、各戸が個別に電力会社を選ぶことはできません。

Q. 自分のマンションが一括受電かどうかはどこで確認できますか?

A. 毎月の電気料金の請求元が管理会社・管理組合・受電サービス会社であれば一括受電の可能性が高いです。大手電力や新電力から直接請求が来ている場合は個別契約です。管理規約や重要事項説明書でも確認できます。

Q. 一括受電から個別契約に切り替えることはできますか?

A. 可能ですが、管理組合の総会決議や既存契約の解約手続きが必要で、違約金や設備撤去費用が発生する場合があります。数年単位の計画で進めるのが一般的です。

Q. 一括受電だと電気代は必ず安くなりますか?

A. 高圧でまとめて受電する分、標準的な従量電灯より割引されるケースが多いですが、割引幅は契約内容によります。各戸が個別に自由化プランを選んだ場合と比較して、必ずしも一番安くなるとは限りません。

まとめ

分譲マンションで電力会社を選べるかどうかは、「個別契約」か「高圧一括受電」かで決まります。請求元と重要事項説明書を確認すれば、自分のマンションの契約方式はすぐに判別できます。

個別契約であれば、各戸で自由に電力会社を見直せます。一括受電の場合は、管理組合での検討が必要となり、切替費用と投資回収年数を踏まえた長期判断になります。共用部の電気契約は、契約方式にかかわらず管理組合が主役となるため、大規模修繕や長期修繕計画の見直しタイミングでの棚卸しが有効です。

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出典・参考

最終更新: 2026年4月14日

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