※本記事は2026年4月時点の情報です。
「環境に優しい電気を選びたい。でも、再エネ100%プランって結局いくら高くなるの?」――そんな疑問を持つ方は少なくありません。実際のところ、再エネ比率の高いプランは仕組み上どうしても追加コストが発生しますが、その額はプラン設計次第で年間数千円〜2万円弱と幅があります。
この記事では、特定のブランドを推奨するのではなく、「大手電力の標準プラン」と「新電力の再エネ高比率プラン」を一般論として比較しながら、料金構造・年間負担の目安・向いている家庭の特徴を整理します。
再エネ100%プランの仕組み
「再エネ100%」と聞くと、自分の家のコンセントに太陽光や風力の電気だけが届いているようなイメージを持ちがちですが、物理的にはそうではありません。電気は送電網の中ですべての発電所からの出力と混ざって届くため、家庭ごとに電源を選別することはできません。
では「再エネ100%」とは何か。実体は、契約者が使った電力量と同じだけの「再エネ由来の環境価値」を、電力会社が証書としてひも付けている状態を指します。
FIT電気の調達
固定価格買取制度(FIT)で買い取られた太陽光・風力・小水力などの電気を、電力会社が市場や相対取引で仕入れます。
非化石証書の購入
FIT電気だけでは足りない場合、再エネ価値を証明する「非化石証書(再エネ指定)」を別途購入し、使用量に紐付けて再エネ比率を計算上100%に引き上げます。
トラッキング情報の付与
どの発電所由来かを追跡できる「トラッキング付き証書」を使うと、CO2排出量ゼロを国際的な基準(RE100等)でも主張できる電気として扱われます。
ポイント
「再エネ100%」と一口に言っても、(a)FIT電気のみで構成、(b)非化石証書を上乗せ、(c)産地指定・トラッキング付き、で意味と原価が変わります。プラン名だけでなく、約款や電源構成開示資料を確認するのが基本です。
再エネ比率はどう算定・開示されているか
再エネ比率は、小売電気事業者が年1回公表する「電源構成開示」で確認できます。経済産業省 資源エネルギー庁のガイドラインに基づき、前年度に調達した電気を「再エネ」「火力(LNG・石炭・石油)」「原子力」「卸電力市場からの調達」などに区分し、kWh単位の構成比率として開示する仕組みです。各社の公式サイトや料金プランのページに「電源構成」「CO2排出係数」として掲載されています。
読み方のコツは3点です。第一に、「再エネ」の内訳としてFIT電気が何%、非FIT再エネ(自社電源や相対契約など)が何%かを確認します。第二に、「非化石証書」による環境価値の充当がどれくらいあるかを見ます。第三に、「卸電力市場からの調達(JEPX等)」の比率も確認しておくと、原価構造のイメージがつかみやすくなります。
物理的な電源構成
前年度に実際に調達した電気の内訳(再エネ・火力・原子力・市場調達等)。kWhベースの比率で、そのまま「どんな発電所由来の電気を仕入れたか」を示します。
非化石証書による充当
物理的な電源が火力中心でも、再エネ指定の非化石証書を購入・充当することで、計算上の再エネ比率を引き上げられます。この部分が「実質再エネ◯%」「実質再エネ100%」と表記される根拠です。
CO2排出係数(調整後)
物理電源のCO2係数から、非化石証書の充当分を差し引いた「調整後係数」が併記されます。企業のSCOPE2算定やRE100報告では、この調整後の数字が使われます。
「実質再エネ」の読み解きポイント
プラン名に「実質再エネ100%」とある場合、物理的な発電所の内訳は火力や市場調達が大半で、そこに非化石証書(再エネ指定)を使用量分だけ上乗せして計算上100%としているケースが一般的です。悪い仕組みではなく、現在の日本の電力市場で再エネ価値を取引する標準的な方法です。ただし、「物理的に再エネ発電所から届く電気」ではない点は、契約前に電源構成開示で確認しておくと納得感が高まります。
再エネプランの追加負担、あなたの場合はいくら?
サッと料金を比較する標準プランとのコスト差
ここからは、「大手電力の標準プラン(従量電灯B/C相当)」と「新電力が提供する再エネ高比率プラン」を一般論として比較します。具体的な金額はプラン・エリア・使用量で異なるため、以下は平均的な家庭(30〜40A・月使用量400kWh前後)を想定したレンジ感です。
※経済産業省 資源エネルギー庁の電源構成開示ガイドラインおよび、非化石証書の市場価格(高度化法相当の最低価格水準)を踏まえた一般論レンジです。
ここで重要なのは、「価格訴求型の新電力プラン(再エネ追加コストなし)」は標準プランより安くなることが多い一方で、「再エネ実質100%プラン」は基準(標準プラン)と比べて月数百円〜1,000円ほど上振れするケースが多い、という点です。
年間で見ると、再エネ100%プランの追加負担は概ね 2,400〜18,000円 のレンジに収まることが多いと考えてよいでしょう。「環境価値にいくらまでなら払えるか」を、まず家計の中で決めることが選択の第一歩です。
再エネプランが向く人・向かない人
向いている:環境価値に明確な優先順位がある人
月数百円〜1,000円の上乗せを「寄付ではなく投資」と位置付けられる人。家庭のCO2排出量を見える化したい人、SDGsや脱炭素を生活レベルで実践したい人に適しています。
向いている:使用量が比較的少ない世帯
再エネプランの上乗せ単価は使った分だけ増えます。月300kWh以下の単身〜2人世帯では追加負担額そのものが小さく、心理的なハードルが低くなりやすい傾向があります。
向かない:とにかく光熱費を抑えたい人
家計優先であれば、再エネ追加なしの新電力プランや、エリア大手の標準プラン継続のほうが合理的です。「安さと再エネ」は基本的にトレードオフであることを前提に選びましょう。
注意:市場連動型の再エネプランを検討する人
再エネ価値と市場連動を組み合わせたプランは、平時は安く見えても高騰時に請求額が跳ねます。燃料費調整額や市場連動部分の上限の有無を、契約前に必ず確認してください。
再エネ比率と料金のバランスを比較する
47社165プランの約款からAIが料金構造ごとに比較します。
手数料ゼロ。登録不要。約30秒で完了。
よくある質問
Q. 再エネ100%プランは本当にCO2ゼロですか?
A. 物理的には送電網で混ざった電気が届きますが、再エネ由来の非化石証書を使用量に紐付けることで、計算上のCO2排出量はゼロとみなされます。RE100など国際的な枠組みで「再エネ電力」と主張するには、トラッキング付き証書が必要になります。
Q. 大手電力の標準プランと比べてどれくらい高くなりますか?
A. プラン構成と使用量によりますが、再エネ100%相当のプランで月数百円〜1,500円程度(年間で数千円〜2万円弱)高くなる傾向があります。FIT電気中心か、トラッキング付き証書中心かで原価が変わるため、同じ「再エネ100%」でも価格レンジに幅があります。
Q. 再エネ賦課金と再エネプランの追加料金は別物ですか?
A. 別物です。再エネ賦課金は法律で定められた一律負担で、どの電力会社・どのプランでも同額が請求されます。再エネ100%プランの追加料金は、これとは別に契約者が任意で負担する、再エネ価値分の上乗せです。
Q. 市場連動型の再エネプランは安全ですか?
A. 卸電力市場価格と連動するため、相場が落ち着いている時期は安いですが、需給逼迫や燃料高騰時には請求額が大きく跳ねます。再エネ価値と市場連動が組み合わさったプランでは、上限価格の有無や過去の請求実績を必ず確認してください。
まとめ
再エネ比率が高いプランは、送電網の物理ではなく「再エネ価値(証書)」を契約者の使用量に紐付ける仕組みです。そのため、大手電力の標準プランと比べて月数百円〜1,500円程度の上乗せが発生するのが一般的で、年間負担にすると数千円〜2万円弱のレンジに収まります。
「環境への貢献を電気代という形で表現したい」「家庭のCO2排出量を実質的にゼロにしたい」と考える方には、十分に検討する価値のある選択肢です。一方で、家計優先・節約優先の方には、再エネ追加なしのプランのほうが合理的なケースが多くなります。
自分のエリア・使用量で再エネプランがどのくらいの追加負担になるかは、エネジェントのシミュレーターで一括比較できます。ブランド名ではなく、料金構造と数字で判断するための材料としてご活用ください。
再エネ比率と料金のバランスを比較する
47社165プランの約款からAIが料金構造ごとに比較します。
手数料ゼロ。登録不要。約30秒で完了。
LINE登録で再エネプランの最新情報をお届け
非化石証書の市場動向や、再エネ比率に関わる制度改定をいち早くお知らせします。
LINE で友だち追加する出典・参考
- 経済産業省 資源エネルギー庁(電源構成開示・非化石証書制度)
- 日本卸電力取引所(JEPX)非化石価値取引市場
- エネジェント シミュレーション結果(2026年4月時点)