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サッと料金を比較する「新電力に切り替えたいけど、倒産したらどうなるの?」「大手のほうが安全では?」 ――電力会社の切り替えを検討するとき、多くの方が感じる不安です。
結論から言うと、新電力が倒産・撤退しても、電気が止まることはありません。 国のセーフティネット制度により、切り替え先が見つかるまでの間も必ず電気は供給されます。 ただし、知っておくべきリスクは確かにあります。
この記事では、過去に起きた新電力の撤退・倒産事例を整理したうえで、 セーフティネットの仕組みと、安全に新電力を選ぶためのポイントを解説します。
そもそも「新電力」とは?
新電力とは、2016年の電力自由化以降に電力小売事業に参入した事業者の通称です。 東京電力・関西電力などの旧一般電気事業者(大手電力10社)以外の電力会社を指します。
2026年5月時点で、経済産業省に登録されている小売電気事業者は約800社あります。 ガス会社、通信会社、石油元売り、IT企業など、さまざまな業種から参入しています。
大手電力と新電力の違い
- 送配電網: 大手も新電力も同じ送配電線を使用。電気の品質(電圧・周波数)は全く同じ
- 供給の仕組み: 新電力は電気を仕入れて販売。発電所を持つ会社と持たない会社がある
- 料金: 新電力のほうが安い場合が多いが、市場環境によっては高くなることもある
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サッと料金を比較する実際に起きた新電力の撤退・受付停止の傾向
2021〜2022年にかけて、卸電力市場(JEPX)の価格高騰やウクライナ情勢による 燃料費の急騰を受け、新電力業界では複数の事業撤退・新規受付停止が発生しました。 以下は業界団体(ENECHANGE等)の公表値に基づく業界全体の傾向で、特定社の論評は本記事の趣旨上行いません。
中堅新電力(複数社)
一部の中堅新電力が電力事業からの撤退を発表。合計十数万件規模の顧客が他社への切り替えを必要とした(ENECHANGE等公表値)。撤退社の一部は2023年以降に新ブランドや事業承継の形で電力事業を再開している。
新規受付を一時停止した新電力(複数社)
市場価格高騰を受けて、市場連動型プランや基本料金0円プランを中心に複数の新電力が新規受付を一時停止。既存顧客への供給は継続。市況落ち着き後に新規受付を再開した社もある。
複数の中小新電力
JEPX高騰の影響で、自社発電所を持たない仕入れ依存型の小規模事業者が相次いで撤退・廃業。
注目すべきは、いずれのケースでも電気が突然止まった事例はないということです。 これは国の制度設計により、セーフティネットが確実に機能しているためです。
電気が止まらない3つのセーフティネット
電力自由化にあたり、国は「消費者の電気が途切れない」ための仕組みを制度として整備しています。 主に3つのセーフティネットがあります。
供給継続の仕組み
契約中の電力会社が撤退した場合でも、直ちに電気が止まることはありません。高圧以上の需要家には一般送配電事業者による「最終保障供給」制度がありますが、家庭向け(低圧)の場合は、撤退する電力会社や送配電事業者から契約切替の案内が届きます。切替先が決まるまでの間も供給は継続されますが、速やかに別の電力会社への切り替え手続きを行うことが推奨されます。
経過措置料金
大手電力10社には、自由化後も「規制料金に準じた経過措置料金」を提供する義務が残されています。新電力からの切り替え先が見つからない場合の受け皿として機能します。
撤退時の事前通知義務
電力会社が事業から撤退する場合、顧客に対して事前に通知する義務があります。通常は撤退の1〜2ヶ月前に通知されるため、その間に別の電力会社を選ぶ時間的猶予があります。
セーフティネットの流れ(まとめ)
1. 電力会社が撤退を発表(1〜2ヶ月前に通知)
2. 顧客は通知を受け、別の電力会社を選ぶ
3. 切り替えが間に合わなくても、供給は継続される(契約切替の手続きは必要)
4. 新しい電力会社に切り替え手続きを行う
→ どの段階でも電気が止まることはない
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それでも知っておくべき3つのリスク
「電気が止まらない」ことは確かですが、新電力にまったくリスクがないわけではありません。 以下の3点は理解したうえで契約することをおすすめします。
切替期間中の供給は割高になる可能性
最終保障供給は主に高圧以上の需要家向けの制度で、割高な料金が設定されています。家庭向け(低圧)の場合も、撤退後に経過措置的な供給を受ける場合は通常より割高になる可能性があります。撤退通知を受けたら、速やかに別の電力会社に切り替えることが重要です。
市場連動型プランの価格変動
卸電力市場(JEPX)の価格に連動するプランは、市場価格が安い時期は大幅に安くなる一方、高騰時には請求額が大きく上振れするリスクがあります。2021年1月の需給逼迫時、JEPXスポット月平均は63.07円/kWh、コマ最高値は251円/kWh(1月15日)に達したとJEPXが公表しています(通常時の数倍〜十数倍の水準)。
解約金・違約金の存在
一部の新電力では、最低契約期間(1〜2年)内の解約で2,000〜10,000円程度の違約金が発生します。撤退による解約の場合は免除されることが多いですが、自己都合の切り替えでは注意が必要です。
安全に新電力を選ぶ5つのチェックポイント
リスクを把握したうえで、以下の5つのポイントを確認すれば、 安全に新電力を利用できます。
経済産業省に登録されているか確認する
未登録の事業者からの勧誘には応じないでください。登録済みの事業者は経産省のWebサイトで確認できます。
燃料費調整額の算定方式を確認する
「市場連動型」は価格変動リスクが大きいため、リスクを理解したうえで選びましょう。「旧一般電気事業者と同等の算定方式」が安定的です。
解約金・違約金の有無を確認する
「解約金なし」の電力会社も多くあります。万が一の切り替えを考えると、解約金なしのほうが安心です。
親会社・グループ企業の財務基盤を見る
ガス会社、通信会社、大手企業グループ系の新電力は、単独の小規模事業者に比べて経営の安定性が高い傾向があります。
料金だけで選ばない
極端に安い料金を提示している場合、原価割れの可能性があり、撤退リスクが高いです。「少し安い」くらいが持続可能な価格帯です。
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新電力の安全性に関するよくある質問
新電力に切り替えると停電しやすくなりますか?
いいえ。送配電網は大手電力(送配電会社)が管理しており、どの電力会社と契約しても停電リスクは同じです。新電力だから停電しやすくなるということはありません。
新電力が倒産したら、未払い分を請求されますか?
通常、電気代は使用後の後払いです。撤退が発表された場合、最終の請求は通常どおり届きます。倒産の場合は債権回収の過程で最終精算されますが、ユーザーが追加の不利益を被ることは通常ありません。
新電力から大手電力に戻すことはできますか?
はい。いつでも大手電力に戻すことができます。解約金がかかる場合を除けば、切り替えの手続きはWebで完結し、工事も不要です。
新電力の電気の品質は大手と違いますか?
同じです。すべての電力会社は同じ送配電網を使っているため、電圧・周波数・安定性に違いはありません。コンセントから出る電気は、どこの電力会社と契約しても物理的に同じものです。
賃貸マンションでも新電力に切り替えられますか?
多くの場合、切り替え可能です。ただし、マンション一括受電の場合は個別の切り替えができないことがあります。管理会社や大家さんに確認してみてください。
新電力が倒産したら電気は止まりますか?
いきなり止まることはありません。家庭(低圧)向けは最終保障供給の対象外ですが、撤退する電力会社や送配電事業者から契約切替の案内が届き、次の契約先が決まるまでは送電が継続されます。案内が届いたら速やかに別の電力会社(大手のスタンダードS/L等を含む)と契約を結ぶ必要があります。最終保障供給は主に高圧・特別高圧の需要家向けの制度で、家庭向けには自動適用されない点に注意してください。
新電力は大手電力より本当に安いのですか?
多くの新電力は基本料金や従量料金を抑えた設計で、一般家庭では年数千〜数万円の差が出ます。ただし燃料費調整額の上限有無で長期コストが変わるため、約款ベースでの比較が重要です。
新電力を解約するときに解約金はかかりますか?
解約金の有無は契約プランによります。解約金ゼロの会社も多い一方、キャンペーン適用で1〜2年の最低契約期間が設定されているプランもあるので、申込前に約款で確認しましょう。
安全な新電力の見分け方を教えてください。
(1)料金体系が明確、(2)会社規模や親会社の信用、(3)燃料費調整額の上限や算定方式、(4)解約金の有無、(5)市場連動でないか、の5点をチェックすることで、倒産・急騰リスクを抑えられます。
まとめ
新電力には確かにリスクがありますが、「危ない」と漠然と恐れる必要はありません。 国のセーフティネット制度により、どんな場合でも電気が突然止まることはない仕組みが 整備されています。
大切なのは、リスクの内容を正しく理解したうえで、自分に合った電力会社を選ぶことです。 燃料費調整額の算定方式、解約金の有無、事業者の経営基盤の3点を確認すれば、 安全に年間数千円〜1万円以上の節約が可能です。
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出典・参考