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新電力のリスク

新電力が倒産したらどうなる?

停電リスクと最終保障供給の仕組みを整理

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※本記事は2026年4月時点の情報です。制度の詳細は資源エネルギー庁・電力広域的運営推進機関の公表資料をご確認ください。

「契約している電力会社が倒産したら、電気は止まってしまうのか」――ここ数年、卸電力市場の価格急騰を背景に新電力の事業撤退や倒産のニュースが相次ぎ、不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

結論から言えば、新電力が倒産しても即座に停電することはありません。ただし、放置すると料金が割高になったり、知らぬ間に不利な契約へ移行していることもあります。この記事では、倒産時のセーフティネットの仕組みと、契約先を選ぶ際に確認すべきポイントを一般論として整理します。

倒産しても停電しない仕組み「最終保障供給」

日本の電力制度では、小売電気事業者(新電力を含む)が事業を継続できなくなっても、利用者への電気の供給が途絶えないよう、電気事業法に基づく制度的なセーフティネットが用意されています。中心となるのが、各エリアの一般送配電事業者(東京電力パワーグリッド、関西電力送配電など、大手電力から分社化された送配電会社)が担う「最終保障供給」です。

電力の物理的な供給ルート(電線・変電所)は各エリアの一般送配電事業者が一元的に管理しており、小売事業者が倒産したからといって送電網が止まることはありません。契約上の切り替えが間に合わなくても、一般送配電事業者がいったん電気を届け続ける仕組みです。一般送配電事業者は電気事業法により最終保障供給の義務を負っており、申し込みを拒否することはできません。

加えて、小売電気事業者には事業を廃止する場合、経済産業大臣への届出と、利用者への事前の通知義務が課されています。通常は供給終了日の一定期間前(数週間〜数か月前)に書面やメールで案内が届くため、いきなり電気が止まるという事態は制度上想定されていません。

押さえておきたい4つのポイント

  • 物理的な送電は一般送配電事業者が担っているため、小売事業者の倒産で停電はしない
  • 事業廃止時は小売事業者から事前に通知が届く(電気事業法上の義務)
  • 契約が宙に浮いた場合は一般送配電事業者の「最終保障供給」が受け皿となる
  • 最終保障供給の料金は標準メニューより1〜2割程度割高で、あくまで一時的な位置づけ(原則1年以内に通常の小売契約に移行することが想定されている)

※参考:資源エネルギー庁「電力の小売全面自由化」関連ページ

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実際に起きる影響:利用者側で何が起きるか

「停電しない」ことと「何も起きない」ことはイコールではありません。契約先の事業撤退・倒産が発生すると、利用者側では以下のような影響が実際に発生します。

1

料金が割高になる

最終保障供給の料金は、平時の標準プランより1〜2割程度高めに設定されています。切り替えを後回しにしていると、毎月の電気代がじわじわ膨らむ形になります。

2

切り替え期限の通知が届く

事業廃止の一定期間前に、書面やメールで通知が届きます。期日までに新しい契約先を選ばないと、最終保障供給に自動移行したまま放置される恐れがあります。

3

ポイント・特典の権利が消滅する

提携サービスのポイント付与やセット割などは、小売事業者が消滅した時点で原則失効します。未精算のポイントは戻ってこないケースが一般的です。

4

解約違約金は原則請求されない

事業者側の都合による契約終了となるため、最低契約期間内でも違約金は発生しないのが一般的です。契約書の「事業廃止時の扱い」条項を念のため確認しましょう。

過去の事例では、卸電力市場の価格急騰を受けて複数の新電力が事業撤退・倒産に至ったと報じられています。共通点として、自社電源を持たず卸市場からの調達比率が高い事業者や、市場連動型プランで仕入れ価格を販売価格に転嫁しきれなかった事業者に影響が集中した、と整理されることが多いです。

契約先の倒産リスクを見極める5つのポイント

倒産リスクをゼロにする方法はありませんが、契約前・契約中のチェックポイントを押さえておくことでリスクを一定程度減らせます。

1

自社電源や長期契約で仕入れが安定しているか

発電所を保有している、あるいは相対契約で長期的に電源を確保している事業者は、卸市場の価格急騰に対する耐性が相対的に高いと整理されます。

2

燃料費調整額に上限があるか

上限のないプランでは、燃料価格高騰時に請求額が青天井で膨らむ設計になっています。利用者側の予見可能性が大きく変わるポイントです。

3

市場連動型プランかどうか

卸市場の価格をそのまま反映するプランは、安い時期は得になる一方、価格急騰時のリスクは利用者が負います。仕組みを理解したうえで選択できているかを確認しましょう。

4

親会社・運営会社の規模と事業背景

専業の新電力よりも、エネルギー事業やインフラ事業を本業とするグループ会社が運営している場合、資本的な安定性があると評価されやすい傾向があります。

5

料金改定・約款改定の履歴が公開されているか

過去の料金改定や約款改定の経緯を公表している事業者は、利用者への説明責任を果たす姿勢が見えやすい、という評価につながります。

大手電力と新電力、倒産リスクの構造的な違い

大手電力(旧一般電気事業者)と新電力では、倒産リスクの背景が構造的に異なります。違いを押さえておくと、料金の安さと安定性のバランスを自分で判断しやすくなります。

観点大手電力新電力(一般論)
電源の持ち方自社発電所が中心自社電源あり/卸市場中心/相対契約中心など幅広い
価格の安さ標準的な水準大手より安い水準を打ち出すことが多い
価格急騰時の耐性相対的に高い事業者によって大きく差がある
料金の透明性公表された約款に基づくプランにより上限の有無や連動方式が多様
撤退・倒産リスク小さいと整理されることが多い事業者の体力・仕入れ戦略で差がある

※上表は一般的な傾向を整理したもので、個別事業者の評価を示すものではありません。

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契約先から事業廃止の通知が届いたら

万が一、契約している電力会社から事業廃止の通知が届いた場合の対応は、以下の流れを押さえておけば慌てずに済みます。

  1. 通知書で「供給終了日」と「最終保障供給への移行有無」を確認する
  2. 自分のエリアで選べる電力会社・プランを比較する(料金だけでなく燃料費調整額の上限有無もチェック)
  3. 供給終了日までに新しい電力会社に申し込む(検針票の「供給地点特定番号」が手元にあるとスムーズ)
  4. 切り替えが間に合わなかった場合は最終保障供給に自動移行するが、割高なので速やかに別契約へ移行する

切り替え手続きはWeb上で完結し、工事・立会いは不要です。検針票(紙またはWeb)に記載された契約番号・供給地点特定番号・使用量を控えておくと、申し込みがスムーズに進みます。

よくある質問

Q. 契約している新電力が倒産したら、すぐに停電しますか?

すぐに停電することはありません。送配電網は一般送配電事業者が管理しており、小売事業者が倒産しても物理的な供給は継続されます。最終保障供給により、別の契約先に切り替えるまでの猶予期間が設けられます。

Q. 最終保障供給とはどのような制度ですか?

電気事業法に基づき、各エリアの一般送配電事業者(大手電力から分社化された送配電会社)が、小売事業者と契約できない利用者に対して最後のセーフティネットとして電気を供給する制度です。料金は標準メニューより1〜2割程度割高に設定されており、原則1年以内に通常の小売契約に移行することが想定される一時的な受け皿という位置づけです。

Q. 倒産リスクが低い電力会社はどう見極めればよいですか?

自社電源や長期契約による仕入れの安定性、燃料費調整額の上限の有無、親会社・運営会社の事業背景などを確認しましょう。安さだけで選ぶと、価格急騰時のリスクを利用者側が負う構造になりがちです。

Q. 市場連動型プランは危険ですか?

危険というより、仕組みを理解して選ぶべきプランです。卸電力市場の価格が安い時期は得になりますが、価格急騰時は請求額が跳ね上がります。家計の予見可能性を重視するなら、燃料費調整額に上限のある固定型プランが無難です。

まとめ

新電力が倒産しても、電気事業法に基づく事前通知と、一般送配電事業者による最終保障供給の二段構えで、即座に停電することがないよう制度設計されています。ただし、放置すると割高な料金を払い続けたり、ポイントや特典の権利を失うといった実質的な影響は発生します。

契約先を選ぶ際は、料金の安さだけでなく「仕入れの安定性」「燃料費調整額の上限」「市場連動型かどうか」を合わせて確認するのがポイントです。安定性と料金のバランスをどう取るかは家庭ごとに異なるため、まずは自分のエリアでどんな選択肢があるのかを把握するところから始めましょう。

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出典・参考

最終更新: 2026年4月14日

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