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サッと料金を比較する※本記事は2026年4月時点の情報です。燃料価格・補助金の動向により、実際の電気代は変動する可能性があります。
本記事の前提(2026年4月時点の参考シナリオ)
- 「直近30日の燃料価格水準が夏まで続く」という仮定で、エネジェント独自モデルが試算した参考シナリオです。確定的な予測ではありません。
- 投入した直近データ:WTI原油 91.2 USD/bbl・欧州ガスTTF 17.9 $/mmbtu・豪州石炭 138.6 $/mt・USD/JPY 159円(いずれも1年前比+30%前後、2026年3月時点)。これらが夏まで同水準で推移する前提です。
- 小売側の燃料費調整額は、直近3か月の貿易統計平均にもとづき毎月更新される仕組みです。本記事の試算値はJEPX予測を起点とした推計で、実際の各社燃調とは一致しないことがあります。
- 電気・ガス価格激変緩和措置(補助金)は2026年3月使用分までで終了予定。本記事は「夏は補助金なし」を基本シナリオとし、仮に再開された場合のケースを併記しました。
- 気象庁2026年2月発表の暖候期予報では、全国的に気温が平年より高い(猛暑)傾向(エルニーニョ発生確率70%)。冷房負荷は前年同等以上で置いています。
- 以下のいずれかが崩れると試算値は大きく動きます:燃料価格が反転(原油・ガスが下落)/補助金が夏も継続/為替が円高方向/猛暑が空振り。月あたり±1,000〜2,000円の振れ幅を想定しておく必要があります。
「2026年夏の電気代はどうなるのか」「このままだと昨年より上がるのか」――梅雨入り前の今、家計の見通しを立てておきたい方は多いはずです。
この記事では、直近の燃料価格トレンドが夏まで続いた場合のシナリオを、エネジェント独自モデルで試算しました。WTI原油・欧州ガス・豪州石炭の動きを入力に、エリアごとのJEPX卸電力価格と電気代の見通しを月次で並べています。あくまで「現状トレンドが続けば」という条件付きの参考値ですが、2025年夏との比較や市場連動プランの振る舞いを考える材料にはなるはずです。
2025年夏との比較:燃料価格がすでに1年前比+30%
まず、2025年夏(6〜9月)の状況を振り返ります。総務省「家計調査」によると、2人以上世帯の電気代は7〜9月で月平均10,000〜12,000円前後で推移しました。猛暑日数の多かった地域では、8月の請求が15,000円を超える家庭も少なくありませんでした。
2026年夏に向けた最大の違いは、国際燃料価格がすでに1年前比+30%前後の水準に上昇している点です。この水準が夏まで続いた場合、2025年夏より高いシナリオが現実味を帯びます。以下は、2025年夏と2026年夏(現状トレンドが続いた場合)の主要因の比較です。
燃料価格が1年前比で+30%前後、さらに補助金が適用されない場合のダブルパンチを踏まえると、この水準がそのまま夏まで続いたシナリオでは、2026年夏の電気代は同じ使い方でも2025年夏より月1,000〜2,000円程度高くなる計算です。ただしこれは確定値ではなく、燃料価格が反転すれば下振れもあり得る条件付きシナリオです。
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サッと料金を比較する燃料価格から読む夏のJEPX予測(東京エリア)
日本の電気代のベースを作るのは、卸電力市場JEPXのスポット価格です。そしてそのJEPXを動かしている主な要因は、火力発電の燃料になる原油・LNG・石炭と為替です。過去2年間のJEPX実績を燃料価格で回帰分析すると、欧州ガスTTF(相関+0.65)・Brent原油(+0.51)・豪州石炭(+0.45)の3指標だけで東京エリアのJEPXの動きの多くを説明できます。
この関係を使って、「2026年3月時点の燃料価格水準がそのまま夏まで続いた場合」のJEPXを月次で試算したのが下の表です。季節性(夏の需給逼迫プレミアム)も過去2年の実績から月別に加味しています。
2025年夏のJEPX東京エリアが10〜12円/kWh水準だったことと比較すると、6〜9月の中央値で+4〜6円/kWh、率にして+40〜50%上振れする計算になります。繰り返しになりますが、これは「現在の燃料価格がそのまま夏まで続けば」という条件付きの参考シナリオです。原油・ガス市場は地政学や需給の変化で大きく動くため、夏までにトレンドが反転する可能性も当然あります。
他エリアの参考値(2026年7月・中央値)
東京 17.3円/関西 16.4円/北海道 15.5円/九州 13.9円(いずれも同条件のモデル試算値)。エリアによって絶対水準は異なりますが、前年比で上振れする構造は共通しています。
燃料費調整額・補助金の見通し
2026年夏の電気代を左右する主な要因は、燃料費調整額と電気ガス価格激変緩和措置(補助金)、そして2026年度から本格化する容量市場拠出金相当額の3つです。それぞれの仕組みと、夏に向けて考えられるシナリオを整理します。
① 燃料費調整額:原油・LNG価格に直結
燃料費調整額は、火力発電の燃料となる原油・LNG・石炭の貿易統計価格(直近3か月平均)をもとに毎月見直されます。前セクションで見たとおり、2026年3月時点の国際燃料価格は1年前比で+30%前後。この水準が数ヶ月続くと貿易統計にも反映され、夏の燃料費調整額は2025年夏より高めに推移するシナリオが考えられます。
一般的な家庭(月400kWh使用)で考えると、燃料費調整額が1円/kWh変動すれば月400円、夏4ヶ月(6〜9月)で約1,600円の差となります。現状の燃料価格水準が続いた場合、2025年夏と比較して燃調だけで月800〜1,200円、夏4ヶ月合計で3,200〜4,800円の上振れが起こり得る計算です。
② 電気ガス価格激変緩和措置:継続・縮小・終了
国の補助金は2023年から断続的に実施され、2026年は1〜3月使用分で1世帯あたり約7,000円の軽減(経済産業省発表)が行われました。2026年3月使用分までの措置は終了予定となっており、夏に向けた再開・延長・追加策は2026年4月時点で正式確定していません。政府は「必要となれば追加対応の検討を否定はしない」との姿勢を示しており、原油・LNG価格の動向次第で判断される見込みです。
仮に補助が適用されない月の請求は、補助があった2025年夏と同じ使用量でも、kWhあたり数円(400kWh世帯で月1,000〜1,600円程度)増える可能性があります。最新の動向は、資源エネルギー庁の公式発表で確認しましょう。
③ 容量市場拠出金:2026年度から本格化、ベース単価に影響
容量市場は、将来の電力供給力(kW価値)を確保するために、小売電気事業者が拠出金を負担する仕組みです。約定結果は年度ごとに確定し、2026年度(2026年4月〜2027年3月)から拠出規模が段階的に拡大する見通しです。この費用は、燃料費調整額や再エネ賦課金のように独立項目として明示されるのではなく、基本料金や従量料金単価(ベース単価)に織り込む形で転嫁されるケースが一般的です。
影響度は小売事業者の料金設計により幅がありますが、一般家庭(月400kWh使用)で夏4ヶ月(6〜9月)だけでも数百円〜1,000円程度、通年では数百円〜数千円程度の負担増になる可能性が指摘されています。補助金終了のように月次で一度に顕在化するのではなく、「気づかないうちにベース単価が少し上がっている」形で反映される点が、補助金とは性質が異なるリスクです。プラン改定通知や料金表の更新履歴をチェックする習慣が、これまで以上に重要になります。
容量拠出金がベース単価に乗るリスク(2026年度〜)
- 燃調・補助金と違い、請求書の独立項目には表示されにくいため、値上げに気づきにくい。
- 影響度は小売事業者・契約プランによって差が出る。とくに低単価を売りにしてきた新電力ほど原資を吸収しづらく、改定時期が前倒しになる可能性がある。
- 対策としては、プラン改定通知を開封し、従量単価と基本料金の数値を前回比で確認することが有効。夏本番前の5〜6月にかけて改定通知が出るケースも想定される。
ポイント
「燃料費調整額」「補助金」「容量拠出金相当額(ベース単価への転嫁)」の3つは、自分が選んでいるプランにかかわらず、毎月の請求に直接乗ってきます。家計対策では、この3つの動きを月次で把握しておくことが重要です。
8月請求の参考シナリオ(月400kWh世帯)
2人以上世帯(月使用量400kWh想定)で、2025年夏と「現状トレンドが続いた場合の2026年夏」の8月請求を比較した参考試算は次のとおりです。前述のJEPX予測(東京8月・中央値16.1円/kWh)を燃調への影響に換算して反映しています。
※上記は「2026年3月時点の燃料価格水準が夏まで続く × 補助金なし」を前提とした参考シナリオです。仮に夏季に補助金が再開(kWhあたり2円値引きを想定)された場合、2026年8月は13,100〜14,300円程度。燃料価格がここから下落した場合や為替が円高方向に振れた場合は、請求額は当然下振れします。実際の金額は契約プラン・エリア・燃料価格・補助金・容量市場拠出金相当額のベース単価反映度により、前提が崩れると月あたり±1,000〜2,000円の振れ幅があります。
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今から始める家計対策(5つの具体アクション)
2026年夏の負担増に備えて、今のうちに着手したい対策を5つに整理しました。上から順に、即効性と費用対効果が高い順に並べています。
エアコンのフィルター清掃と試運転(所要30分/効果:消費電力5〜10%減)
フィルターが目詰まりすると消費電力が約5〜10%増えるとされています(資源エネルギー庁)。5〜6月のうちに清掃と試運転を行い、室外機の周囲30cmに物を置かないようにするだけで、夏ピーク時の効率が明確に改善します。
設定温度は28℃目安+サーキュレーター併用(効果:月500〜1,000円減)
冷房の設定温度を1℃上げるだけで消費電力は約10%下がります。サーキュレーターや扇風機で空気を循環させれば、28℃設定でも体感は十分に涼しく保てます。弱風連続運転が「こまめにオンオフ」より電気代が安くなるケースも多い点に注意。
契約アンペア・電力プランの見直し(効果:夏4ヶ月で数千〜1万円前後)
使用実態に合わないアンペア契約や、燃料費調整額に上限のないプランは、夏の請求が跳ね上がる原因になります。とくに補助金が入らない2026年夏は単価競争力の差が請求額に直接響くため、この夏だけで数千〜1万円前後の差が出るケースもあります。加えて、容量市場拠出金相当額が基本料金・従量単価に織り込まれる形でベース単価が改定される可能性もあるため、プラン改定通知は必ず確認しましょう。
使用量の多い時間帯を把握し、ピークシフト(効果:月300〜800円減)
検針票やWebマイページから、月別・時間帯別の使用量を確認しましょう。食洗機・洗濯乾燥機・充電などを深夜や早朝に回すだけで、時間帯別プランなら単価を抑えられます。夕方18〜20時のピーク使用を意識的に避けるのがコツです。
冷蔵庫・待機電力の見直し(効果:月200〜500円減)
冷蔵庫は設定「強」を「中」に下げ、庫内の詰め込みを7割以下にするだけで消費電力が約10%下がるとされます。また使っていない機器のコンセントを抜く・スイッチ付きタップにまとめることで、待機電力(家庭全体の約5%)を削減できます。
特に「プラン見直し」は一度行えば翌月以降ずっと効果が続く点で、コスパが高い対策です。新電力と大手電力では、エリアや使用量によって夏4ヶ月だけで数千〜1万円前後、年ベースだとさらに大きな差が出ることもあります(一般論として、使用量が多い家庭ほど差が広がりやすい傾向)。
大手電力 vs 新電力(一般論)
大手電力(旧一般電気事業者)の標準プランは、燃料費調整額に上限が設定されているケースが多く、急な燃料高騰時に守られやすい傾向があります。一方、新電力の多くは基本料金や従量単価を抑えていますが、燃料費調整額に上限がないプランもあります。「上限の有無」と「自分の使用量帯での単価」をあわせて比較するのが選び方のコツです。
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よくある質問(FAQ)
2026年夏の電気代は2025年夏より高くなりますか?
2026年4月時点の見通しでは、補助金が2026年3月使用分までで終了予定(夏の再開は未確定)であること、燃料費調整額が上昇基調にあること、さらに2026年度から本格化する容量市場拠出金相当額がベース単価に反映される可能性があることから、同じ使い方でも2025年夏より月1,000〜2,000円程度、夏4ヶ月(6〜9月)合計で4,000〜8,000円程度高くなる可能性があります。気象庁は2026年夏も全国的に高温(猛暑)と予想しており、エアコン使用増も加わるとさらに上振れする見込みです。
電気・ガス価格激変緩和措置(補助金)は2026年夏も続きますか?
2026年3月使用分までの措置は終了予定で、夏の再開・延長・追加策は2026年4月時点で正式確定していません。政府は燃料価格動向次第で追加対応を検討する姿勢を示していますが、確定情報ではありません。最新動向は資源エネルギー庁の公式発表を確認してください。
容量市場の拠出金は夏の電気代にどう影響しますか?
容量市場の拠出金は小売電気事業者が負担し、基本料金や従量料金単価に織り込む形でベース単価に転嫁されるケースが一般的です。2026年度から拠出規模が段階的に拡大する見通しで、請求書の独立項目としては表示されにくいため、プラン改定通知や料金表の更新を確認する習慣が重要になります。通年で続く負担なので、夏4ヶ月でも一般家庭で数百円〜1,000円程度、年ベースでは数百円〜数千円程度の負担増が指摘されています。
燃料費調整額はどのように決まりますか?
原油・LNG・石炭の貿易統計価格(直近3か月平均)と基準燃料価格との差をもとに、毎月見直されます。燃料価格が上がれば燃料費調整額も上がり、電気代に直接反映されます。
今から夏に備えてできることは何ですか?
(1)エアコンのフィルター清掃と試運転、(2)契約アンペア・プランの見直し、(3)使用量の多い時間帯の把握、の3点が効果的です。プラン見直しはこの夏4ヶ月だけでも数千〜1万円前後、翌月以降も効果が続くため年ベースではさらに大きな差につながるケースもあります。
まとめ
2026年夏の電気代は、直近の燃料価格(WTI原油・欧州ガス・豪州石炭、いずれも1年前比+30%前後)の水準がそのまま続いた場合、エネジェント独自モデルでは東京エリアのJEPXが6〜9月に15〜17円/kWh前後、2025年夏(10〜12円/kWh水準)を大きく上回るシナリオが見えてきます。同じ使い方でも、標準的な4人家族(月400kWh)で月1,000〜2,000円の差が出てもおかしくない計算です。
ただしこれは「現状の燃料価格トレンドが夏まで続けば」という条件付きの参考シナリオです。原油・ガス市場は地政学や需給の変化で大きく動くため、夏までに下落する可能性もあります。補助金が再開されれば家計への影響はさらに緩和されます。逆に、このシナリオが顕在化した場合は市場連動プランほど影響を受けやすいため、燃調上限の有無を含めてプランを見直しておく価値は高いと考えています。
家計対策としては、(1)エアコンの事前メンテナンス、(2)設定温度28℃+サーキュレーター併用、(3)プラン見直し(燃調上限の有無をチェック)、(4)ピークシフト、(5)冷蔵庫・待機電力の見直し、の5点が即効性の高い打ち手です。とくにプラン見直しはこの夏4ヶ月で数千〜1万円前後、翌月以降も効果が続くので年ベースでさらに大きな効果につながることもあります。
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出典・参考
- 総務省「家計調査 家計収支編」(2024年・2025年)
- 資源エネルギー庁(電気ガス価格激変緩和措置の最新発表)
- 気象庁(季節予報)
- 電力広域的運営推進機関(容量市場 約定結果・制度概要)
- エネジェント シミュレーション結果(2026年4月時点)
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