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家電と電気代の知識

古い家電は買い替えで何年で元が取れる?

冷蔵庫・エアコン・テレビ・洗濯機の回収年数を公的データで試算

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※本記事は2026年6月時点の情報です。電気代は全国家庭電気製品公正取引協議会の目安単価31円/kWh(2022年7月22日改定値)で試算しています。本体価格・回収年数はいずれも機種・購入価格により大きく変動する目安です。

「古い家電は壊れるまで使うのが節約」――そう考える方は多いはずです。一方で「最新の省エネ家電に買い替えれば電気代が下がって、すぐ元が取れる」という話もよく聞きます。では実際のところ、古い冷蔵庫・エアコン・テレビ・洗濯機を買い替えると、電気代の差だけで本体価格は何年で回収できる のでしょうか。

結論を先に言うと、電気代の節約「だけ」で本体を数年で取り戻せる家電は基本的にありません。ただし家電ごとに年間の削減額が大きく違い、回収が現実的になる条件もあります。本記事では経済産業省 省エネポータルなどの公的データを引用しながら、家電別の「素朴な回収年数」を早見表で整理します。

結論早見表:家電別の回収年数

下表は「想定本体価格 ÷ 10年前モデルとの年間電気代差額」で計算した 素朴な回収年数 です(差額は冷蔵庫・エアコンが経済産業省 省エネポータルの目安、テレビ・洗濯機は編集部の概算)。本体価格は売れ筋帯の概算で、機種・購入価格により大きく変わります。

家電年間削減額(10年前比)想定本体価格素朴回収年数
冷蔵庫(401〜450L)約6,000円/年約13万円約22年
エアコン(2.8kW・10畳用)約3,000円/年約11万円約37年
液晶テレビ(同サイズ・編集部推計)約2,000円/年約9万円約45年
洗濯機(縦型・編集部推計)約1,000円/年約7万円約70年

※削減額のうち冷蔵庫・エアコンは経済産業省 省エネポータルの「10年前モデル比」目安(冷蔵庫 約21〜30%省エネ/約6,000円・エアコン 約14%省エネ/約3,000円)。テレビ・洗濯機は公的な年間削減額の公表がなく、省エネ性能カタログの傾向(同サイズなら省エネだが大型・4K化で相殺/縦型は省エネ進化が緩やか)を踏まえた編集部の概算です。本体価格は売れ筋帯の概算で、機種・購入価格により変動します。回収年数=本体価格÷年間削減額(整数年に四捨五入)。なお省エネポータル等の公表『円』値は27円/kWh前提で、本記事は単価を31円/kWhに置き換えて試算しています。

削減額が最大の冷蔵庫でも、本体価格が高いため素朴回収は約22年。エアコン・テレビ・洗濯機はさらに長くなります。つまり 10年前モデルからの前倒し買い替えを「電気代だけ」で正当化するのは難しい というのが、公的データから素直に計算したときの姿です。

重要なのは、家電ごとに年間削減額が 冷蔵庫(約6,000円)> エアコン(約3,000円)> テレビ・洗濯機 と大きく違う点です(冷蔵庫・エアコンは経済産業省 省エネポータル目安、テレビ約2,000円・洗濯機約1,000円は省エネ性能カタログの傾向を踏まえた編集部の概算)。買い替えで電気代が下がりやすいのは冷蔵庫・エアコン、下がりにくいのはテレビ・洗濯機、という優先順位が見えてきます。

「年間削減額」の出どころと注意点
表の冷蔵庫・エアコンの削減額は、経済産業省 省エネポータルが示す「10年前モデルとの比較」目安です。これを31円/kWhで割り戻すと、冷蔵庫は年間約193.5kWh、エアコンは約96.8kWhの消費電力量差に相当します。ただしこのkWh差はあくまで 公表削減額からの逆算値 で、特定機種の実測差ではありません。容量区分・前提機種が固定された代表値である点にご注意ください。なお省エネポータル等が示す「円」の削減額は27円/kWh前提の数値で、本記事は単価を31円/kWhに置き換えて試算した値であり、公表額そのものではありません。

なぜ「数年で元が取れる」とはいかないのか

① 公的な削減額は思ったより小さい

経済産業省 省エネポータルによると、今どきの冷蔵庫は10年前と比べ 約21〜30%の省エネ で、電気代は年間 約6,000円 お得とされています。エアコンは 約14%の省エネ で年間 約3,000円 お得です。

一見すると大きく感じますが、冷蔵庫やエアコンの本体価格は10万円を超えることが多く、この削減額で割り戻すと回収には20年以上かかります。省エネ率(%)の大きさと、回収のしやすさ(円ベース)は別物 だということが、ここでのポイントです。

② 回収年数が「寿命」を超えてしまう

内閣府の消費動向調査(令和6年)を引用した省エネ性能カタログによれば、家電の平均使用年数は 冷蔵庫 約14.0年・エアコン 約14.1年・テレビ 約10.7年 です。

冷蔵庫の素朴回収年数 約22年に対し、買い替える人の平均使用年数は約14.0年(内閣府 消費動向調査)です。平均使用年数は「実際に買い替えた人の使用年数の代表値」で、回収年数と単純に引き算できる量ではありませんが、目安として寿命より回収年数のほうが長いと、回収し終わる前に次の買い替え時期が来やすい ことを示しています。都合のよい削減額だけを見て判断しないことが大切です。

③ 本体価格の前提しだいで結論が動く

回収年数は「本体価格 ÷ 年間削減額」という素朴な割り算なので、本体価格をいくらと置くかで大きく変わります。セールやポイント還元、リサイクル料、設置費なども実際には影響します。本記事の本体価格は売れ筋帯の概算であって、特定機種の実売価格ではありません。あくまで「桁感」をつかむための目安としてご覧ください。

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例外:超旧型の大容量冷蔵庫なら回収が現実的に

ここまで「数年回収は難しい」と述べてきましたが、例外 があります。15〜20年以上前の大容量冷蔵庫を使い続けているケースです。古い大容量機ほど消費電力量が大きく、最新機との差が開くため、買い替え効果が大きくなります。

環境省「COOL CHOICE」や資源エネルギー庁の省エネ性能カタログでは、401〜450Lクラスの冷蔵庫は10年前モデルと比べて 年間消費電力量が大きく下がった とされています(日本電機工業会のデータで「約49%減」の例が示されています。容量区分・年式・直冷/間冷の別で値は変わる代表条件です)。実際に大容量の旧型からの買い替えで、年間消費電力量の差を31円/kWhで電気代に換算すると、次のようになります。

買い替え前→後(年間消費電力量)消費電力量差年間削減額本体13万円での回収
旧500kWh → 新290kWh210kWh約6,510円/年約20年
旧600kWh → 新290kWh310kWh約9,610円/年約13.5年

※間冷式・定格内容積401〜450Lクラスの代表条件。消費電力量差は省エネ性能カタログ等の二次引用に基づく代表値で、特定機種の実測ではありません。削減額=差×31円/kWh、回収=13万円÷年間削減額。

このように、消費電力量の差が大きい大容量の旧型ほど、回収年数が約13.5〜20年という現実的なレンジに入ってきます。とくに500〜600kWh級の旧型を使い続けている世帯は、すでに長く使用しているケースが多く、買い替え後も長く使う前提なら取り戻せる範囲に入ります。平均使用年数(約14.0年)は買い替えた人の代表値で、こうした大容量旧型を長く使い続ける層には単純に当てはめられない点にも注意が必要です。「家にある冷蔵庫が極端に古くて大きい」場合は、買い替えの合理性が高まります。

冷蔵庫の省エネ幅の数値について
冷蔵庫の10年前比の省エネ幅は、出典によって幅があります。環境省「COOL CHOICE」では401〜450Lクラスで 「約49%減」(日本電機工業会のデータ) が示される一方、経済産業省 省エネポータルの一般的な目安は約21〜30%減で、前提とする機種・容量区分・年式・比較年で値が変わります。一部の二次情報で見られる「10年で約3分の1(約67%減)」や「1999年製750kWh→292kWh」といった値は、一次資料で直接確認できなかったため、本記事では早見表・本文から外し、裏が取れる範囲の数値に限って掲載しています。実際の効果は機種・容量区分・年式で変わります。

テレビは「同サイズなら省エネ・大型化で相殺」の二面性

テレビは早見表で「回収しにくい側」に位置していますが、これは少し説明が必要です。同じサイズで買い替えれば、テレビも大きく省エネ化しています

資源エネルギー庁の省エネ性能カタログ(液晶テレビ)によれば、40V型の代表機種では年間消費電力量が 2010年の156kWhから2019年の83.8kWh(約46%減)、32V型でも 87kWhから57kWh(約34%減) へと省エネ化しています。

ところが、買い替えのタイミングで 画面を大きくしたり4Kにしたりすると、高解像度化・大型化で消費電力が増え、省エネ分が相殺されてしまう傾向 があります。たとえば43インチでフルHDが年約80kWh程度なのに対し4Kは約110kWh、50インチでフルHD約99kWhに対し4Kが約148kWhと、4Kのほうが約4〜5割高くなるケースがあるとされます(家電製品協会の二次情報による傾向で、一次資料では未確認のため傾向としての記載です)。

つまりテレビは、同サイズで選べば電気代は下がる一方、サイズアップ前提だと回収しにくい側 という二面性を持ちます。「テレビは買い替えても無駄」とも「テレビも46%省エネ」とも、片方だけを切り出すのは誤解のもとです。

買い替え時の「容量・能力選び」も電気代に直結

買い替えで電気代を下げるには、年式だけでなく 部屋やライフスタイルに合った容量・能力を選ぶこと も重要です。エアコンを例にとると、省エネ性能カタログの代表機種では期間消費電力量の目安が次のようになっています。

エアコン能力目安の広さ期間消費電力量(代表機種)
2.2kW6畳用562kWh
2.8kW10畳用716kWh

※資源エネルギー庁 省エネ性能カタログ(エアコン)の代表機種の目安。実際の消費電力量は機種・断熱・地域・使い方で変動します。

部屋の広さに対して能力が小さすぎると、エアコンが常にフル稼働になり消費電力が増えます。逆に大きすぎても無駄が出ます。適切な能力を選ぶことが、買い替え後の電気代を抑える前提条件 です。冷蔵庫も同様に、家族構成に対して容量が合っていないと省エネ効果を十分に得られません。

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買い替えを検討すべきかのチェックリスト

1

製造から15〜20年以上経った大容量機か

とくに大容量の冷蔵庫は、旧型ほど最新機との消費電力量差が大きく、回収が現実的なレンジ(約13.5〜20年)に入りやすくなります。本体裏の銘板や取扱説明書で製造年・年間消費電力量を確認しましょう。

2

故障の前兆や不調があるか

冷えが弱い・異音がする・電気代が急に上がった、といった前兆があるなら、いずれ訪れる寿命での買い替えを前倒しする合理性が高まります。壊れてから慌てて選ぶより、計画的に省エネ機を選べます。

3

容量・能力が今の暮らしに合っているか

家族構成や部屋の広さに対して大きすぎ・小さすぎの家電は、省エネ機に替えても効果が出にくい一因になります。買い替え時に適正な容量・能力へ見直すと、削減効果を取りこぼしにくくなります。

4

削減効果が大きい家電から優先しているか

年間削減額は冷蔵庫>エアコン>テレビ・洗濯機の傾向です。複数の家電が古い場合は、削減額の大きい冷蔵庫・エアコンから検討すると、限られた予算での電気代削減効果を取りやすくなります。

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よくある質問

古い家電は電気代の削減だけで本体価格を数年で回収できますか?

基本的には難しいです。経済産業省 省エネポータルの目安では、10年前モデルからの買い替えで年間に節約できる電気代は冷蔵庫で約6,000円、エアコンで約3,000円です(電力量料金31円/kWhで計算)。本体価格が10万円超の家電を、この削減額だけで割り戻すと回収には20年以上かかる計算で、電気代の節約「だけ」で数年回収できる家電はほぼありません。回収が現実的なレンジに入るのは、15〜20年以上前の大容量機を使い続けているケースに限られます。

買い替え効果がいちばん大きい家電はどれですか?

年間の電気代削減額で見ると、試算条件下では冷蔵庫が最大です。経済産業省 省エネポータルによると、冷蔵庫は10年前比で約21〜30%省エネ・年間約6,000円お得、エアコンは約14%省エネ・年間約3,000円お得とされています。一方テレビや洗濯機は近年の省エネ進化が緩やかで、削減額は相対的に小さい傾向です。優先順位をつけるなら冷蔵庫・エアコンから検討するのが目安になります。

テレビは買い替えても電気代があまり下がらないのは本当ですか?

条件によります。省エネ性能カタログでは同じサイズなら40V型で2010年156kWh→2019年83.8kWh(約46%)、32V型で87kWh→57kWh(約34%)と大きく省エネ化しています。ただし買い替え時に画面を大きくしたり4Kにしたりすると、高解像度化・大型化で消費電力が増え、省エネ分が相殺されて電気代が下がりにくくなる傾向があります。同サイズで選べば下がりますが、サイズアップ前提だと回収しにくい側の家電です。

電気代の計算に使う31円/kWhという単価は何が根拠ですか?

公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会(家電公取協)が定める電気料金の目安単価で、2022年(令和4年)7月22日に従来の27円/kWhから31円/kWh(税込)に改定されました。家電メーカーがカタログで電気代を表示する際の共通基準で、『電力取引報』の全小売電気事業者の販売電力量・販売額の集計値などに基づき算出されています。実際の単価は契約プランで変わるため、あくまで比較用の目安です。

何年使った家電から買い替えると元が取れやすいですか?

目安として、15〜20年以上前の大容量の冷蔵庫を使い続けているケースが最も回収しやすいです。たとえば年間消費電力量が500kWh前後の旧型から最新の約290kWh機(差210kWh)に替えると、31円/kWhで年約6,500円削減となり、本体13万円なら約20年。差が大きい600kWh級なら約13.5年と回収年数が縮みます。つまり500〜600kWh級の大容量旧型なら約13.5〜20年が目安です。一方、製造から10年前後の比較的新しい機種からの前倒し買い替えは、電気代だけで元を取るのは難しいのが実情です。

壊れていない家電を省エネ目的で前倒し買い替えするのは得ですか?

電気代の節約「だけ」で見ると、前倒し買い替えで本体価格を回収するのは難しいケースが多いです。冷蔵庫の平均使用年数は約14.0年、エアコンは約14.1年(内閣府 消費動向調査・令和6年)です。平均使用年数は買い替えた人の代表値で回収年数と単純比較はできませんが、目安として回収に20年以上かかると、いずれ訪れる買い替え時期より長くなりやすい計算です。ただし、いずれ寿命で買い替える前提なら、古い機を使い続ける間の電気代のムダを減らせるという考え方もできます。故障の前兆がある・容量が合っていない・極端に古い、といった条件が重なるほど買い替えの合理性は高まります。

出典・参考情報

※本記事の回収年数・電気代試算はあくまで目安です。回収年数は「想定本体価格÷年間電気代削減額」という素朴計算で、本体価格・購入条件・実際の消費電力量により大きく変動します。本体価格は売れ筋帯の概算であって特定機種の実売価格ではありません。年間削減額のうち冷蔵庫 約6,000円・エアコン 約3,000円は経済産業省 省エネポータルの「10年前モデル比」目安(容量区分・前提機種が固定された代表値)で、テレビ・洗濯機の削減額は省エネ性能カタログの傾向を踏まえた編集部の概算です。なお省エネポータルの公表『円』値は27円/kWh前提で、本記事は単価を31円/kWhに置き換えて試算しています。買い替え前に各メーカーの省エネ性能カタログで対象機種の年間消費電力量をご確認ください。

✓ この記事の検証プロセス

  • 電力会社の公式約款・料金表PDFを一次情報として参照 (二次情報は使用しません)
  • 49社・370プラン をDBに構造化済。単価・燃調・解約金等を計算エンジンで再現
  • 1社1ファイルの「ファクトカード」でデータベース値・公式値・記事値の3点突合を実施
  • 記事公開前に料金・約款条件のハードコード値を機械的に検査(自動lint)して数値乖離を防止
  • 検証手順の詳細は 計算ロジック / 執筆チーム で公開
最終更新: 2026年6月13日

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